いの りゅういち/ 1988年生まれ、群馬県太田市出身。新潟大学農学部を卒業後、大手飼料メーカーに就職。営業マンとして全国を転々とした。その後、新潟市出身の妻と結婚。2016年に長女が生まれたことをきっかけに転職を決意。2017年に新潟市に移住し、株式会社 環境科学へ。営業マンとして自社製品の販売を担当している。プライベートでは釣り、バイク、筋トレにDIYと多趣味。
家庭用・業務用の入浴剤の企画・製造をはじめ、特許を取得した人工温泉装置の開発・販売を手掛ける。温泉好きの社員が多く、30年以上にわたり“温泉一筋”で研究・開発と製造を行っている。新潟県や新潟大学との共同研究・開発実績も持つ。
https://www.kankyo-k.jp/Q.群馬県のご出身ですが、新潟との縁は何だったのですか?
高校卒業後、新潟大学に進学したのが新潟との最初の縁でした。農学部で4年間学び、卒業後は大手の飼料メーカーに就職しました。営業として牛・豚用をはじめ、養殖魚など幅広い飼料を扱い、全国の農家さんや農業団体などに販売していました。
本社は横浜だったのですが、大手メーカーでしたので全国に拠点があり、転勤を繰り返しました。横浜、その後に鹿児島、茨城、北海道、仙台――6年の間に全国各地に住みました(笑)。
Q.大学時代に新潟で暮らした経験があるわけですが、就職で新潟を離れましたよね。そんな伊野さんが、どうして再び新潟に住むことになったのでしょうか
前の会社で働いていた時に妻と結婚をして、2016年に長女が生まれました。仕事自体は好きでしたし、待遇にも不満はありませんでした。もし、妻とふたりのままだったなら、転勤は苦にならなかったのかもしれません。
ですが、娘が生まれたことは当たり前ですが私たち夫婦にとっては大きく、毎年住む場所が変わるような生活を娘もすることになると想像すると、自分の仕事と暮らしを考えるタイミングだと感じたのです。
Q.結婚、そしてお子さんの誕生が、再び新潟で暮らすきっかけだったと?
例えばの話ですが、娘が将来「故郷はどこ?」って聞かれた時に答えに困るほどの転勤生活では、娘がかわいそうだなと思ったんです。その当時は自分もまだ20代でしたし、転職をして新しい仕事に就いても頑張れると思ったのです。
もちろん、新たな暮らしの場所として私の故郷である群馬も候補として考えましたが、妻が新潟市出身でしたので、子育ての環境を考えると妻の両親が近くにいる方がよいだろうと思い、新潟市で暮らすことを決めたのです。
それに大学生活の4年間を新潟で過ごした経験から、私自身は本当に新潟が好きになっていましたし、暮らしやすさを感じていました。だからこそ、娘の立場になって考えても、親元を離れるまでの時間を過ごす場所として絶対にいいと思えたのです。これは全国各地で暮らした僕の経験値からなので、間違いないです(笑)。
Q.株式会社 環境科学に転職したのは、どんなきっかけだったのでしょうか?
“営業職”だけはこだわりましたが、どうせなら全然違う業界に飛び込んでみようという気持ちもありました。そこで、新潟の企業を調べていた時に見つけたのがこの会社でした。私自身温泉は好きでしたし、入浴剤のメーカーということもあり大学での学びを活かせる化学分野であることも興味を持った理由です。
決め手になったのは2つで、ひとつは新潟市で勤務できて転勤がないこと。そして、もうひとつは小さな規模の会社で自分自身の力が試せそうな環境があることでした。どちらも合致したのが、株式会社 環境科学でした。
Q.2017年に入社されて丸3年が経ちました。現在はどのような業務をされていますか?
弊社は入浴剤の企画・製造をはじめ、特許を取得した人工温泉装置の開発・販売を手掛ける会社です。今は営業マンとして、多種多様なニーズに合わせた入浴剤やスーパー銭湯、福祉施設などに自社開発の人工温泉装置『エコスパシステム』のセールスを担当しています。営業マンは私と社長を含め3人だけなのですが、小さな会社ですから業務に関する判断も早いし、お客様からの希望もすぐに共有できます。スピード感をもって、フットワークよく仕事ができる環境はうれしいです。
また、入浴剤とそれを自動でお風呂に投入する人工温泉装置の両方を製造しているという独自性の高さも弊社の強みです。売り上げも年々上がっていますし、全国を見渡しても弊社のようなタイプの会社はないので、そういう意味での将来性も感じています。
Q.仕事のやりがいはどんなところですか?
新潟の企業でありながら全国各地のさまざまなお客様と仕事ができるところです。各地の温泉地と商品開発をしたり、ホテル、スポーツクラブなどの開業に合わせて人工温泉装置や業務用入浴剤を提供したりと、出張で全国各地に行くことができます。住むとなると別ですが(笑)、仕事で全国各地に行けるのは楽しいですし、自分の知見を広めることにつながっています。
また、小さな規模の会社ですから、社長も製造部長もすぐ目の前のデスクにいます。「こんなものを作ってみたい」など、自分のアイデアや考えで商品企画やセールスができることが大きなやりがいになっています。
Q.伊野さんのアイデアで新しい入浴剤が作られることもあるのですね
有名芸能人のテレビCMでおなじみですが、BOAT RACEの関連イベントの販促品として、オリジナルの入浴剤を作ったことがあります。6艇で行うモーターボート競技なので、それぞれの船のカラーに合わせた6つの香りを作るという私のアイデアを採用いただき作ることができました。私自身、まさかBOAT RACEの入浴剤を作るとは思ってもいませんでしたが、考え方ひとつでいろんな業種に対してセールスすることができたり、型にはまることなく、自分で企画したりプレゼンしたりできるのはこの仕事のおもしろさのひとつです。
Q.プライベートでは奥様と娘さんとの3人暮らしですが、どんな過ごし方をされていますか?
残業はありませんし、週末は休みなので、家族との時間をしっかりと持てる暮らしができています。平日は18時に仕事が終わるので家に帰って娘と遊んだり、フィットネスジムに通い筋トレをしたりしています。休日は娘を連れて出かけることが多いですし、新潟市は公園もたくさんあり自然の中で子どもと遊ぶことができるので、子育て環境のよさも実感しています。
Q.休日の楽しみは何ですか?
釣りが趣味なので1年を通じて新潟の海でルアー釣りを楽しんでいます。春のサワラやイナダなどの青魚から始まって夏はキス、そして秋になるとアオリイカやカマス、タチウオなどが釣れますし、12月になるとスズキを狙います。海なし県で生まれた私にとっては、海が近い環境はとてもうれしいですし、季節ごとにいろんな魚が釣れる新潟は釣り好きにとっては天国です(笑)。
夏には釣り仲間と一緒に佐渡まで釣り旅行に行くこともありますし、天候のいい時期には娘と一緒にアジを釣って、料理をして食べることもあります。こうして自然と触れ合う遊びができるのは、子どもの教育にもいいですし、新潟で暮らすよさを実感する場面です。社長に怒られるかもしれませんが、海のある県外への出張の時は、釣り道具も持っていくこともあります(笑)。
Q.釣りは長い海岸線と2つの離島のある、新潟で暮らしているからこその趣味と言えますね
まさにそうです。ほかにはバイクに乗るのも好きなので、冬以外は愛車で海岸線を走ったり、少し遠くまでツーリングに出かけたりすることもあります。あとは家でのDIYも趣味のひとつです。娘のために遊び道具や棚を作ることもありますね。
こんな風に充実したオフの日を過ごせているのも、楽しくやりがいをもって働ける会社があるからですし、自分の帰る家があるからだと思います。そういう意味ではオン・オフともに、会社のみなさんや家族に支えられえていると感じています。
Q.最後にこれからの仕事の目標を聞かせてください
会社の代表であり、営業マンとしての大先輩である社長は考え方がとても柔軟で、そこを見習っていきたいと思っています。お客様から相談を受けた時に「できません」ではなく、何かお客様のプラスになるような提案ができるようになりたいです。
「伊野に言えば、なんとかしてくれる」――そんな営業マンでありたいと思います。そして、会社の知名度をさらに高めていって、会社の発展に貢献していきたいです。