新潟で働く人
インタビュー

社会福祉法人 いなほの郷福祉会 特別養護老人ホームいなほの郷

陸川真哉さん

プロフィール

りくかわしんや/1980年生まれ、妙高市出身。高校卒業までを地元で過ごす。大学卒業後、県外での会社員生活を経て、転勤をきっかけに新潟市で暮らし始める。元々、福祉の仕事に興味があったことから福祉業界への転職活動を行い、2015年にいなほの郷福祉会へ。現在は5年目となりユニットリーダーを務めながら、施設利用者の介護にあたる。趣味はボクシングというアクティブ派でもある。

社会福祉法人 いなほの郷福祉会

新潟市内で特別養護老人ホーム いなほの郷をはじめ、ショートステイいなほの郷下山、ケアハウス和などを運営する社会福祉法人。陸川さんが働く特別養護老人ホーム いなほの郷は、江南区大渕にあり10ユニット100床を用意する。「利用者の願いや希望をかなえ、利用者の家族や地域との結び付きを大事にする」をコンセプトとしている。「自分の家にいるように過ごしてほしい」という思いから、職員がユニフォームでなく私服で働いているのも特色。

営業職から介護職へ。自分と向き合って出した転職の答え

営業職から介護職へ。

Q.いなほの郷福祉会で介護福祉士として働くことになった経緯を教えてください。

静岡県で就職をしましたが、その後転勤のため、新潟市で暮らすことになりました。その会社では営業マンとして働いていたのですが、元々社会的立場の弱い人たちの手助けになる仕事がしたいという思いがあり、転職を決意しました。

陸川真哉さん

Q.営業職から介護の業界。勇気のいる転職だったと思いますが、どのような思いがあったのでしょう?

転職を考えた時に自分の気持ちに正直に向き合ってみたんです。今度はどんな仕事がしたいかイメージした際に、困っている人のサポートをして笑顔を作るようなことが頭に浮かびました。それで介護の仕事を志し、ハローワークの介護職員実務者研修を半年ほど受けて転職活動をしました。

陸川真哉さん

Q.いなほの郷福祉会で働くことになった決め手はなんでしたか?

スタッフ同士の笑顔でのコミュニケーションが活発で活気を感じたからです。働くスタッフ同士が楽しそうにしていると、それが施設利用者にも伝播しているように感じましたし、笑顔で明るく利用者と接しているスタッフを見て、ここで働きたいと思いました。

陸川真哉さん

特別養護老人ホームいなほの郷

利用者ひとりひとりの“その人らしい生活”をサポート

利用者一人一人のその人らしい生活をサポート

Q.働き始めて5年。資格を取得し介護福祉士として働いて3年目になるわけですが、現在はどのような業務をされているのでしょうか?

特別養護老人ホームは、介護を必要とされる利用者の方が最後の住み家として生活される場所です。日々、利用者の方々と接して生活をあらゆる面からサポートしながら、その方らしい日常を送れるように手助けをするのが主な仕事です。

陸川真哉さん

また、今は10名の利用者の方々を担当するユニットリーダーとして、9名のスタッフから日々の情報を集めながら、看護師やケアマネージャー、栄養士など他部署と連携し、利用者の方々がさらに安楽に暮らせる改善策を考え、それを指示、実行しています。

日々のなかでの、小さな生活の改善が何よりのやりがい

日々のなかでの小さな生活の改善が何よりのやりがい

Q.日々の業務のなかでやりがいを感じるのはどんな時でしょう?

利用者の方々と一緒に、穏やかで笑顔あふれる暮らしを作るのが私たちの役目です。何気ない会話を交わす時間は純粋に楽しいです。

陸川真哉さん

例えば、利用者の方がそれまで食べられなかったものを食べられるようになったり、介助を必要としながらもおむつが外れてトイレで用を足せるようになったりと、生活の質がよい方向に改善された時は、何よりもやりがいを感じます。「ありがとう」の言葉や、利用者の方の笑顔が見られるとうれしい気持ちになります。

Q.利用者のご家族からの感謝の言葉なども、やりがいにつながることもありますか?

本来であれば、ご家族の方たちとともにご自宅で暮らすのが一番の幸せなのでしょうけれど、さまざまな理由から、それが叶わないのが利用者の方々です。「こんなふうに生活してほしい」「もし、家で元気にしていたらこんなことをしていたはず」というご家族の方からの要望をなるべく実現できるようにしています。

陸川真哉さん

また、時として利用者の方の最期を看取ることもあります。霊安室などでご家族の方とお話をすることもあるのですが、生前の施設での様子をお話していて「最期までずっと付き添ってくれて本当に感謝致します」という言葉をいただいた時は、この仕事をしていてよかったと感じますし、同時にまたほかの利用者の方々の生活をよりよくするために頑張ろうと、身が引き締まります。

仲間とのコミュニケーションと、利用者の気持ちを察することが大切

仲間とのコミュニケーションと利用者の気持ちを察することが大切

Q.毎日の業務の中で、陸川さんが大事にされているのはどんなことでしょうか?

チーム単位で成り立っている仕事なので、チームワークが何より大切だと考えています。そのためにも、ひとりひとりが健全な心身と笑顔で働けるような雰囲気を作ることを意識しています。私たちスタッフがイライラしながら仕事をしていたら、それは必ず利用者の方々に伝わってしまうでしょうし、逆に笑顔にあふれて和気あいあいとしていれば、利用者の方々も必然的にそうなります。なので、ともに働くスタッフとのコミュニケーションは常に心がけています。

陸川真哉さん

また、私たちの施設は全室個室ユニット型で、プライバシーに配慮しながらも家庭的な雰囲気が特徴です。食事にしてもお風呂にしても、利用者の方々の生活リズムは違いますし、それを極力尊重した介護を行っています。なかにはご自身の意志表示が難しい方もおられますが、想像力を働かせながら気持ちを察することも意識している部分です。

気持ちよく働くことができる環境がありがたい

Q.介護の現場で働く介護福祉士として、どのような職場環境が特徴でしょうか?

勤務時間としては早番、遅番、夜勤の3つがありシフト制になっています。そのため、プライベートを含めた予定も立てやすいですし、休みもきちんと取れるので、ストレスなく仕事ができています。平日に休めるので、出かける時に混雑していないのもメリットですね(笑)

陸川真哉さん

3交代ですので、出勤時間は日々変わりますが、私自身はそれが苦ではないですし、前職での営業職のように5日間連続で働いて週末に2日休むよりも、2日ないし3日働いて1日休むという今のスタイルの方が性に合っている気がしています。

また、子育て中の女性職員が働きやすいように、お子さんが6歳になるまで短時間勤務ができるので介護士にとっても働きやすい環境になっています。

Q.地域の方を招いての催しなども積極的に行われていますよね?

残念ながら今年は中止でしたが、例年であれば夏祭りやお茶会などで地域の方と交流する催しを行っています。利用者の方と地域にお住まいの方たちが顔を合わせる機会を作ることで、お互いに理解を深めていただけていますし、これからも力を入れていきたいと考えています。

陸川真哉さん

気持ちよく働くことができる環境がありがたい

新潟市はここ十数年、大きな自然災害もなく安心して暮らせる街

Q.仕事がオフの日はどのように過ごされていますか?

実は趣味でボクシングをやっていて、ウエルター級でアマチュアの選手登録をしています。今は新型ウイルス感染拡大防止のため、練習や試合はできませんが、思い切って身体を動かすのがオフの日の楽しみです。ボクシングをしている時は、いい意味で仕事のことを忘れて没頭できますし、何より介護福祉士にとって大事な体力面の強化にもつながっています。あとはお酒を飲むのが大好きですし、特にボクシングの練習をした後の一杯は何より最高です(笑)

陸川真哉さん

Q.新潟市で暮らすよさはどのように感じられていますか?

県外で暮らした経験のある自分としては、生まれ育った妙高市と新潟市という距離こそありますが、自分のホームという安心感は大きいです。毎日接する利用者様やスタッフも県内の方がほとんどですし、そのなかに身を置き、家族と一緒に過ごす日々は心地よいです。

陸川真哉さん

また、介護の現場にいる自分だからこその見方かも知れませんが、特に県内のなかでも新潟市はここ十数年を振り返っても水害や地震など大きな自然災害がなく、安心して暮らせる街だと感じています。

そして、お酒好きのわたしとしては、新潟市の一大イベント「にいがた酒の陣」は毎年3月の楽しみでもあります。今年は残念ながら中止でしたが全国に自慢できるすてきなイベントがあって、気軽に足を運べるのも新潟市で暮らす魅力だと感じています。

新潟酒の陣

Q.介護福祉士として、実現したい夢や目標を教えてください。

基本に忠実に仕事をしていきたいと思います。何よりも利用者の方々の願いを叶えて、希望する生活に近づけることが最優先です。そして、利用者のご家族やこの地域の方との結びつきをさらに強めて、笑顔と活気にあふれる施設にしていきたいです。

陸川真哉さん
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