新しい場所での生活には期待が膨らむ反面、実際に暮らしてみないとわからない事への不安を感じてしまうもの。
「地方での暮らしは不便?」「子育て環境はどう?」「地域との付き合いが心配・・・」などなど気になる事を実際に新潟市に暮らし、子育てをしているみなさんに聞いてみました!
栗原香映さん(以下 栗原さん):仕事で赴任したシンガポールで夫と知り合い結婚。夫の転勤を機に新潟市へ。二人の子どもは新潟で育ちました。
熊倉知佳さん(以下 熊倉さん):夫の仕事の都合で昨年家族4人、東京から新潟市へ来ました。夫は新潟県加茂市出身です。新潟には来ないという約束で結婚したんですが(笑)。それと、自分で何か新しい事を始めてみたいとう希望をずっと持っていて、いろいろ調べてみると新潟だと出来そうだと思えたこともあり、新潟市へ来ることを決めました。
佐藤光美さん(以下 佐藤さん):私は新潟市内の企業へ就職して、初めは田上町から通勤していましたが、通勤時間が長かったり色々大変だったので、新潟市内へ引っ越しました。それ以来、今も市内の企業に勤めながら子育てをしています。
栗原さん:シンガポールを除くと東京以外に住んだことがなくて、新潟と言うと初めは雪深くて大変なイメージがあったけど・・・実際はすごく暮らしやすくて、今ではこの生活をすごく気に入っています。東京に帰省した時の印象や自分の子ども時代を思い返してみても、新潟は子育てするにも良い環境だなと思います。
熊倉さん:優しい人が多いですよね。外から来たひとも受け入れてくれる雰囲気がありますね。
栗原さん:県民性なのかな?謙虚で控えめな人が多い印象も。初めは少し壁を感じてしまう事もあったけど、親しくなるとよくお世話してくれるよね。
佐藤さん:自分から積極的に話しかけたりする人は少ないかも・・・。本当は「新潟っていいよね」って言ってもらうとすごくうれしいんだけど(笑)。
栗原さん・熊倉さん:食べ物がおいしいのは魅力的!
栗原さん:お米、お魚、野菜。何を食べてもおいしいよね!
熊倉さん:東京では百貨店でないと売っていないような魚介類が近所のスーパーで普通に売っていて。鮮度の良さと種類の多さにびっくり!こちらに来て初めて見るものも結構あって食の豊かさを感じますね。
栗原さん:直売所もたくさんあって楽しいよね。
佐藤さん:葉がパリパリしているような、採りたての新鮮な野菜が並んでいて重宝していますよ。
熊倉さん:こちらに来たばかりの頃は冬の天気がツラかったなー。友達もいないし、毎日曇りだし・・・今は自分も子ども達も友達ができて楽しく過ごしているけれど、慣れるまでは大変だと思う。
栗原さん:身近に山も川も海もあって、しかも島まである!こんな環境、なかなか無いよね。東京にいると「わざわざ旅行で行く」って感じだけど、ここだと思い立ったらすぐに行けちゃう。
熊倉さん:日帰りで行けますよね。
栗原さん:時間を気にしなくていいし、お金がかからないのも子育て家庭にはメリットだよね!
佐藤さん:子どもが大きくなるとできることが増えるからこれからもっと楽しくなるね。雪遊びもソリだったのがスキーになるとか。
熊倉さん:東京だと4〜5時間かけて行かないとスキーなんてできなかったけど、こちらでは気軽に行けますね。
栗原さん:「今日の午後から行こうか?」って感じでね。しかも帰りに温泉に寄ることも可能!今までの自分の価値観の中には無かった新しい経験がたくさんできて、私自身も子どもと一緒に四季折々の遊びを楽しんでいます。冬はスキーに夏は海にと。海水浴場もいくつかあるから、そんなに混み合っていなくて、子連れでも安心。海以外には川遊びに、山登り。夜にはカブトムシ取りができるところにもすぐに行けて、子どもに色々な事を体験させてあげられる環境がここにはあってすごく満足しています。
佐藤さん:夫が子どもを連れて近場に釣りに行くんですけど、子どもは釣りをするのはもちろん、釣った魚をバケツの中で観察することも楽しいみたい。自分が釣った魚だから大切においしくいただいて。すっかり釣りにハマっていますよ。
栗原さん:アジフライが食べられなかった娘も自分で釣ったアジを食べたら、釣りが楽しかったことと魚がおいしかったことで苦手な食べ物が一つ克服できた、なんてことも。それも保育園のお迎えの帰りにそのまま行けるんだよ。ママだけで連れて行っても安全な堤防があるから大丈夫!行くと常連さんが助けてくれるし(笑)。そこで教えてもらったのだけど、鮮度を保つために取り除いたアタマと内臓は海に捨てずにテトラポットに撒いておくの。そうすると海鳥が来て食べるからって。そういうことから子どもは食物連鎖や、いのちの大切さを自分なりに学んで更に、魚や鳥に興味を持って図鑑で調べたりしているよ。体験を通じて自発的に学ぶ姿勢が育まれているんだよね。これからもこの環境をどんどん活用していきたいな。
熊倉さん:子どもの感性に響くものって年齢ごとに変わっていくから“今、この時”を大切にして、いろいろ体験させてあげることは大切ですよね。
佐藤さん:新潟に長く住んでいてもまだまだ知らない、子どもと楽しめるスポットがたくさんあるんだね。そういう情報はどこで知るの?
栗原さん:子どもを通じて知り合ったお友達に教えてもらっているよ。実家が農家のお友達のところでは田植えに収穫体験や出荷のお手伝いをさせてもらったこともあるよ。
熊倉さん:東京だと農業体験もお金を払ってすることだよね。
栗原さん:こちらではお金はかからないし、しかも帰りに野菜をお土産でいただいてありがたいですよね。野菜の袋詰め作業を手伝ったことがあって、翌日には自分達が詰めたものがお店に並ぶと言うから子どもと見に行って「これ、昨日詰めたのだ!」って。子どもなりにおぼろげながら物流の仕組みを理解したみたいだよ。
佐藤さん:すごい!“体験学習”だね。
栗原さん:まち全体が学びの場だから、それをフル活用しないのはもったいない!
熊倉さん:東京では受験勉強のために早くから塾通いを始めるから、公園に子どもの姿がなくて。みんな忙しそうにしていて、そういう体験をすることもなく勉強ばかりしている感じ。それに対して新潟の子はのびのびしていて良いなって思ったの。そういった体験を通じて学ぶことも東京ではなかなかできないことだよね。
栗原さん:新潟は時間とか空間とか、生活のあらゆる面でゆったりしていて、ゆとりがあるのが良いよね。気持ちにもゆとりがあるから子どもにも大らかに接してくれる気がするな。東京だと疲れてイライラしている人が多いから、子どもがはしゃいだりすると・・・
佐藤さん:都内だと子どもを連れて移動するだけでも大変そう!
熊倉さん:新潟はコミュニティのつながりが強くて助け合いの精神が息づいているところが東京とは違うなと感じました。
栗原さん:東京だと近所に誰が住んでいるかわからない状況だよね。逆にこちらでは地域の顔が見える関係性ができていて、それを窮屈に感じてしまう時もあるけれど、助け合いができているのが子育てしている上では安心だし、ありがたいよね。
熊倉さん:“子供会”のような地域の行事が残っているのも良いなと思います。東京には無いですね。地域で子どもを大切にする雰囲気が残っている感じがしますね。
熊倉さん:新潟市では待機児童がいないのがすごくいいですよね。東京の場合、保活(保育園を探す活動)が本当に大変で・・・。両親がフルタイムで働いていても保育園に入れないことも。私のところではきょうだいで別の園になってしまって、送り迎えは自転車でハシゴしていました。新潟市では保育園に入れるので安心感があるし、女性が働くかたちを選べるというのはすごく良いと思います。
栗原さん:地方だとまだ、「子どもを保育園に預けるのはかわいそう」という保守的な考えが残っている地域もあるけれど、子どもにとっても保育園で色々な経験ができるのはすごくプラスになっていると思う。
佐藤さん:子どもを預けて仕事をしていると切り替えができますね。仕事中は仕事に集中して、家に帰ると子どもとの時間を大切にするという感じで。日中離れているから子どものことがより一層かわいく感じられるように思います。
栗原さん:切り替えができると親と子、お互いにとって良い関係が保てるよね。
栗原さん:自然が豊かで、食べ物がおいしく、生活環境も良くて、子育てに必要な要素がすべて揃っています。ここではきっと豊かな人間性の子どもを育てることができると思います。
熊倉さん:私自身も子どもを育てながら起業しましたが、新潟市には新しいことにチャレンジできる土壌があります。助けてくれる人がたくさんいますし、起業支援などの制度も整っています。自分で何か始めたいと考えている方にはおすすめします。
佐藤さん:新潟市はまちの規模感が丁度良くて暮らしやすいと思います。ほどよく都会で、便利だけどゆったりとした生活が送れます。県外から来たお二人のお話を聞いて、この暮らしやすさが子育てのしやすさにもつながっていると改めて感じることができました。
(H28年1月実施)