移住者名 | 大塚 秀毅(おおつか ひでき)さん |
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移住年月 | 2015年2月 |
年 代 | 30代~40代 |
家族構成 | 妻、長女 |
職 業 | プランナー/コピーライター(株式会社フジ・クリエイティブセンター) |
栃木県で生まれた私は、大学を卒業してから一般企業に就職はしたものの、小さな頃から大好きだったスポーツに関係する仕事がしたくて、その会社を退職しスポーツライターの道を目指しました。よい縁もあり、すぐにフリーランスのライターとしての仕事を始めたのです。スポーツの中でも特にサッカーが好きだったこともあり、20代後半で地元・栃木のサッカークラブ、栃木SCのオフィシャルライターになることができました。そこでプロサッカークラブのライターとして仕事をして、キャリアを重ねていきました。しかし、私が35歳の時にクラブの経営がうまくいかなくなり、オフィシャルライターとしての仕事がなくなったのです。ですが、ちょうどサッカー専門新聞との契約がうまくいき、ライターとしての仕事を継続することができました。仕事は順調でしたが、すでに結婚をしていた私と妻はそろそろ子供がほしいと考えていた時期でもありました。メディアに関わる仕事ができ、よい環境で子供を育てたいと考えた時に、妻の実家がある新潟市を候補に移住を検討しました。運よく広告代理店でのコピーライターの仕事にも出会うことができ、妻とともに2015年から新潟市で暮らし始めました。
ひと言で言ってしまえば、35歳の時にいろんなタイミングが重なったことがきっかけです。転職も35歳までとか言うじゃないですか。サッカークラブのライターという仕事がなくなったことはひとつの理由としてあります。もちろん、サッカー関係の仕事を続けていくこともできました。ですが、自分の中でスポーツライターという仕事に対するやり切った感も大きかったので、そのキャリアを活かしつつ、新たな仕事にチャレンジしてみたいという気持ちもあったのです。あとは、夫婦での生活の中で子供がほしくなり、できる限り子供にとってよい環境で子育てをしたいというのも大きな理由でした。そこで自分たちの生活拠点を考えた時、栃木も決して悪くはないのですが、自分のやりたいメディア業界の仕事があまりなかったこともあるし、妻が新潟出身で実家が新潟市にあるというのは大きかったです。それで、新潟市をメインにして転職先を探していた中で、今勤めている広告代理店と縁があり、これまでの自分の経験を活かすことができそうだったので、この会社で働くことを決めました。
新潟に住み始めてほどなく長女が生まれたのですが、妻の両親が近くにいてくれるのは、本当によかったことと言えます。妻もフルタイムで仕事をしているので、何かあった時に娘の面倒を見てもらえたり、保育園に迎えに行ったりしてくれる家族がいるのは心強いです。僕自身は栃木出身でIターンですし、新潟に友人はひとりしかいませんでした。でも、新潟に移住する前から、お盆や正月に妻の実家に帰省するたびに、両親が本当にあたたかく僕を迎えてくれていたので、今も寂しさはまったくないです。義理の父は畑をやっていて、たくさん野菜をくれるので助かっていますし、義理の母が近くにいるから妻も子育ての相談ができます。子供を授かり3人で暮らすようになった今、改めて妻の両親を含めた家族で過ごせることが幸せだし、感謝の気持ちが強いです。
苦労した点は県民性の違いによるコミュニケーションです。今の会社で働き始めた頃、新潟の人は僕にいろいろ質問はしてくれるけれど自分のことは話さないということに、少し戸惑いました。でも、それにも慣れましたし(笑)、少し時間がかかるけれど、いざ距離が縮まると本当に親身になってくれるのが新潟の県民性なのだと思います。
今はこのサイトも含めてですけど、移住に関する情報がたくさんありますよね。当然、ウェブなどで関連する情報を調べる方も多いと思うんですけど、あまり調べすぎないほうがよいと思います。情報過多の時代だからこそ、移住に必要なこと以外になんでもかんでも集めすぎてしまうと、せっかくのタイミングを逃してしまったり、移住に踏み切るまでに余計な時間を使ってしまうことがあると思うからです。私の場合、移住先が妻の出身地なだけに事前情報が多かったのは間違いないですけど、あまりいろんなことを調べないで新潟に来たのです。そのおかげで、日々暮らしていく中で新しい発見が多いし、楽しい物事に出会うことも多いんです。だからこそ、無理に調べすぎないことを先輩として伝えたいですね。
確かに自分は栃木から新潟に来た移住者です。“移住”と聞くとすごく重い感じがしますけど、“転職”という表現だと少しライトになると思うんです。実際のところ、僕はその2つが同時だったから、移住という感覚があまりないのかも知れません。だからと言うわけではないですけど、あまり構えすぎず、深く考えすぎず、調べすぎずに、新たな生活拠点に踏み出してみてください!