概要
生まれは岡山で幼稚園の頃に父の転勤で新潟に引っ越してきました。高校卒業までは新潟市中央区の海に近い快適な環境で過ごしました。東京への憧れから大学進学と共に上京し建築学を専攻しました。大学卒業後は東京電力株式会社(現:東京電力ホールディングス株式会社)の建築部門で、自社施設の設計・管理やメンテナンスを主に担当していました。28年間の勤務を経て、2020年9月家族の事情をきっかけに52歳で早期退職し、新潟に戻ることになりました。
2021年春からは「ひだか農園」に就職し、農作業から農作物の通販や収穫体験などの新しい取り組みを進めています。統計的な事務作業やSNS、通販での販路拡大も担当しております。さらに年配の方々からの農地委託を受けて農業活動を拡大し、最近では焼き芋専門店と提携してさつま芋の栽培も手掛けています。農業の傍ら週2日リモートで設計の仕事も行っており、農業とデスクワークを曜日で分けて勤務しています。
移住したきっかけ
6年前に母親が亡くなり一人になった父親のために、新潟に度々帰省するようになりました。その当時から将来のキャリアや新潟での家族との生活について考えるようになりました。以前は盆や正月くらいしか帰省していなかったのですが、頻繁に新潟に帰省することで新潟の魅力を再認識しました。その結果いずれ新潟に戻ることを決意しました。そして2020年秋に新型コロナウィルスの影響を受け、28年間勤務した会社を早期退職して新潟に戻りました。
会社を辞めることを真剣に考えた後、新潟での仕事について考えました。年齢的に新しい企業に就職することは避けたいと思い、比較的体を動かす仕事を探しました。その結果、農業が最適だと感じ、新潟の南区にある酪農家でアルバイトを始めました。後に現在の勤務先である「ひだか農園」で研修を受けることとなり、酪農と農業の両方を並行して取り組むようになりました。
新潟へ移住してよかったこと・苦労したこと
新潟の土地環境の魅力は年齢を重ねる中で再確認しました。海、川、山という自然に囲まれた環境は住み心地が非常に良いです。東京にいた頃は雪が降ることなどなく、季節の変化が不明瞭で1年があっという間に感じられました。しかし新潟に戻ってからは、日の出や夕日の美しさを日々楽しむことができ、四季の変化を鮮明に感じられるようになりました。帰郷後は、四季の変化を深く感じることが何よりも心に響きました。
さらに新潟での人脈の形成も大きな収穫です。積極的に人とのつながりを築くことで異業種の方々との関係が広がり、共同での仕事や趣味活動にも参加できるようになりました。特に「ひだか農園」と新潟大学のサークルとの連携を通じて多くの学生との交流が生まれ、学生たちが継続的に協力してくれることに感謝しています。
一方で、県の実施する新規就農者向けの制度は年齢制限が45歳までとなっており、私の利用は叶いませんでしたが、この制度を通じて「ひだか農園」に研修生として参加する機会を得ることができたのは担当者の方のご紹介のおかげであり、そのつながりに感謝しています。
新潟へ移住を検討している方へのメッセージ
新潟はマラソンやトライアスロンなどアクティブな趣味に熱心な方には非常に魅力的な練習環境があります。良好な練習環境のおかげでスポーツを始めるのに非常に最適です。特に、新潟島を一周すると約15キロ、または10キロのコースが用意されており、ランニングコースとしてもおすすめです 。
新潟の仕事面に関しては、依然として保守的なイメージがありますが、一方で新しいことに取り組むチャンスや潜在的な可能性も豊富に存在します。
最後に、農作業は非常に楽しいものです。リラックスできるだけでなく、やりがいや生きがいも感じられると思います。定期的に農業体験に訪れる方々も日常のストレスを忘れ、リフレッシュして帰宅されます。新潟に移住をお考えで、農業に興味をお持ちの方は「ひだか農園」にぜひ一度足を運んでみてください。