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2022年8月18日

暮らしている町の人々が「知っている人」になる。 古町を帰ってきたくなる町にしたい

移住者名 金澤 李花子(かなざわりかこ)さん
移住年月 2021年8月
移住スタイル Uターン
年代 10代~20代
家族構成 単身
職業 上古町の百年長屋SAN副館長、編集者

 

新潟へ移住するまでの経緯・概要

私は「カミフル」の愛称で親しまれる上古町にある「上古町の百年長屋SAN(サン)」の副館長を務めています。SANは花屋や喫茶店、作業スペースなど、人々の交流と古町の情報発信の拠点を目的とした小さな複合施設。夜は不定期スナックを営業したり、アーティストを招いてライブや展示、ワークショップを開催したりと、SAN全体の運営やイベント企画も手掛けています。オリジナルの雑貨や、週末には地元で採れた野菜の販売も行っています。それとは別に、編集者として記事の執筆やメディアの編集なども行っています。

生まれは神奈川県鎌倉市で、小学生の頃は父の転勤で関東地方を転々としました。古町との出会いは、中学生になる頃に親の出身である新潟に移住したことがきっかけ。中高時代に通い慣れた上古町に愛着が芽生え、いずれはここに戻ってきたいと思うようになりました。それから大学進学を機に上京し、卒業後は都内の出版社や広告プロダクション会社に勤めながら10年間東京で暮らしました。元々雑誌が好きだったこととメディア関係の父の背中を見ていたこともあり、何かを発信する仕事に興味があったのです。東京の会社で修業を積んで、満足したら新潟に帰って働くことが高校時代からの夢でした。

新潟へ移住したきっかけ

東京の出版社に入社して5年が経った頃「広告費や制作費などのお金の動きについて知りたい」「東京ならではの大きな仕事をしてみたい」と考えるようになりました。そんな思いから広告プロダクション会社に転職。ここではグラフィック制作をメインにした広告制作を行っていて、私はプロデュース業務を担当していました。都内だけではなく、地方自治体を専門に手掛ける部署もあり、そこに所属していたときには東京以外の地方自治体のホームページ制作やイベントの企画などを担当。新潟県のお仕事もあり、東京にいながらも新潟に関われることが嬉しかったです。そんな時、新型コロナウイルスの流行でリモートワークが主流になって住まいが選べるようになりましたが、やはり東京で急な仕事が入ることもあり、いきなり新潟に移住することは難しい状況でした。そこで、2020年9月から東京と実家がある新潟での2拠点生活をスタートさせました。高校生以来にカミフルの日常を目の当たりにしたのですが、正直なところ私はあまり刺激を感じられなくなっていたのです。そこで、地方自治体を対象にした仕事に携わっていた経験と、編集とディレクションのスキルをいかして、自分の手で上古町を同年代が楽しいと感じる場所にしたいと思い、移住を決意しました。

 

新潟へ移住してよかったこと・苦労したこと

新潟に移住してよかったことは全部です(笑)。一番は決められないほど、よかったことがたくさんあります。例えば「生産者の顔が見える」とよく言うように、新潟は東京よりもすべての物事や人との距離が近いです。カミフルの商店街にいるとお隣さんとは絶対にすれ違うし、今日はどこでお昼を食べようかなと考えるときも、「久しぶりにあの店かな~」とその店のその人の顔が一緒に思い浮かびます。自分が暮らしている地域の人たちが「知っている人」になっていく感覚が、東京ではなかなかないことだと思うのです。おしゃれさや人気を基準にお店を選ぶのではなく、会いたい人がいるからという理由で足を運ぶといった心の距離感から安心と豊かさが感じられます。大変なことは、距離が近いがゆえにお互いのことは良くも悪くもよく見ているので、緊張感があります(笑)。でもそのおかげで均衡が保たれますし、カミフルがよい空気に包まれているのだと思います。

私はフリーランスの編集者としても活動しているのですが、新潟はこの業界の仲間が少なくて、言ってしまえばブルーオーシャン。そういう意味からも自分の可能性が広がるし、やりがいを感じます。

 

新潟へ移住を検討している方へのメッセージ

もっと新潟で仲間が欲しいと思います。私の周りには「移住したい」と言っている人がとても多くて、特にSANを立ち上げてからはそういう人に出会うことが増えました。新潟県出身で東京で暮らしている友人たちが帰省してSANに来たときには「私もいずれ新潟に帰ってきたいんだよね」と言っていました。同業界の友人がいるのですが「ほら、新潟にも仕事があるよ! 大丈夫!」と新潟でのお仕事をお願いするなどしてアピールしたり(笑)。まずは2拠点生活からでもいいので、新潟でも東京のように仕事ができるということを知ってもらいたいです。私自身、上京したクリエイターが新潟でも働ける場所をもっと作っていけたらと計画を企てています。その名も「クリエイター移住計画」です(笑)。そんな人たちを集めて、働ける環境を作っていけたらいいなと思います。一度上京して地元に移住するということに難しさを感じる部分もあると思いますが、自分の働き方や暮らしを変える転機であったり、外に出たからこそ見えた郷土愛を形にできるきっかけになったりすると思うので、新潟への移住を考えてもいいのではないでしょうか。新鮮な気持ちで新潟と向き合うことで、新たな仲間も発見もたくさんあることをもっと知ってもらえたらと思います。

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