移住者インタビュー

移住者インタビュー
絞り込み

年代

家族構成

移住スタイル

2019年11月5日

田中さん「徐々に新潟のペースに合わせることが大切」

移住者名 田中 啓子(たなか けいこ)さん
移住年月 2013年3月
移住スタイル Uターン
年代 30代~40代
家族構成 夫、長男
職業 WEBディレクター

 

移住までの経緯・概要

新潟市出身の私は、県内の大学を卒業し、そのまま新潟市にあるデザイン会社に就職しました。当時はフリーペーパーの企画や編集、営業と慌ただしく働く日々。しかし丸4年勤める中で、時代は段々と紙媒体からWEBに移行していることを肌で感じ、「もっとWEBのことを勉強したい」と27歳で東京の大手IT企業へと転職しました。同僚に恵まれ、飲み会や旅行にも頻繁に行くなど、充実した日々を過ごしました。そんな毎日を過ごしている最中、東日本大震災が発生。震災当日は会社から2時間半ほどかけて徒歩で帰宅し、その後の計画停電も経験しました。これからも一人東京で生活していくことが急に不安になり、地元に帰って安心したいと思うようになりました。そう考えた直後に良い縁があり、新潟市在住の夫と結婚し新潟市にUターンしました。移住後は地元の企業にも勤めましたが、現在は子育てをしながらフルリモートで東京のマーケティング会社でWEBディレクターとして働いています。

きっかけ

東日本大震災は、今までの生活に疑問を抱くほどの大きな衝撃でした。東京で同僚にも恵まれ、充実した生活を送っていましたが、震災で足元を掬われたような感覚でした。当時は出社もできずに、自宅でのリモート作業。今後自分がどうなるかも分からずに、心細さを感じていました。これを解決するにはどうしたら良いかを考えたときに「結婚して暮らしの基盤を固めたい」と考えるようになりました。しかし、東京で結婚・子育てをするのは、いまいちイメージが湧きませんでした。それは満員電車に乗っていたときに母親と一緒に乗っていた子供が「嫌だよ」と泣いていた姿を見たことが理由でした。大人も嫌な思いをする満員電車に子供を乗せざるを得ない子育て環境。自分が親の立場だったら同じことはできないなと思ったのです。震災での経験30歳を超えたタイミング、子供を育てる環境。さまざまな条件を考える中で、新潟に帰ろうと次第に思うようになりました。その後新潟に住む現在の夫と付き合い、結婚が決まったので、Uターン。仕事も知人の会社でディレクターとして働かせてもらえることになり、新潟での結婚生活をスタートさせました。

よかったこと・苦労したこと

結婚とUターンを同時に叶えたので、一気に安心できるようになりました。しかし移住当初は、ずっと「東京に帰りたい」と嘆いていました。音楽が好きでライブに行くことが趣味だったので東京では頻繁に遊びに行っていました。でも、新潟では好きなアーティストが何度もライブをやってくれるわけではなくて。東京にいるときの生活をそのまま続けることはできないと自分で分かっていたつもりだったのですが、どうしてもライブに行きたくなってしまっていました。当時はTwitterや公式サイトを見ないようにするなど、情報デトックスをするほどでした。新潟で暮らして6年ほどが経ちようやく心が安定してきたような気がします。それは、古町や沼垂など市内のまちなかで行われるイベントに参加する中で、友達の輪が広がってきたことも大きいです。イベント出店していた人のお店に遊びに行ったり、知り合いを紹介してもらったりしているうちに、顔見知りが段々と増えてきて。そうして仲良くなってくると新潟での生活が楽しくなり、自分のペースが徐々に出来上がっていきました。

 

移住を検討している方へのメッセージ

移住当初は生活に慣れることに苦労するかもしれませんが、新潟での自分のペースを掴めればだんだん楽になってきます。東京での生活が高速回転だとすると、新潟での生活はスローダウンした低速回転。こっちの生活に無理に合わせるのではなく、ゆっくりとチューニングをするように合わせていくことが大切です。無理をしすぎないことは子育てでも一緒。実家のサポートが受けられるのであれば、親に頼ることも一つの手段です。私はよく近所にある実家に子供を預けています。親は孫と過ごせて嬉しそうだし、その間、私は自分の時間を持つことができる。おかげで生活のバランスを取ることができて助かっています。また、新潟で車を持てば、自分だけのパーソナルスペースを確保することもできます。東京では一歩外に出るとすぐに周りの目があり、常に気を張っていなければいけません。一方、新潟の移動手段は車がほとんど。車に乗ってしまえば、それが一種のパーソナルスペースです。好きな音楽をかけながらドライブに出かけるのが何よりの気分転換になっています。このように自分なりの生活のペースを見つけられれば、新潟での生活もきっと楽しいものになると思います。

このページのトップへ